登山入門【後編】|新人編集者の『専用の道具じゃなくても登山できる!』どこがダメ?

新人編集者による体験記事・後編。前回、自分の道具だけで高尾山に登った新人編集者。『専用の道具じゃなくても問題ない!』と楽観的になっていたところに、元山岳部の友人からお叱りを受けることに!自分が感じていた「問題ない!」は何が間違いだったのか?!

アイキャッチ画像出典:YAMAHACK編集部

初心者向けの山は”登山用品じゃなくてもOK”と感じた新人編集者

全部の荷物
撮影:YAMAHACK編集部
前回『登山グッズを買わずに登山できないのか?』という疑問を、実際に自分の道具だけで東京・高尾山~小仏城山の12.5kmを歩いて試してみました。


その際、特に不具合を感じなかったため『観光客も多く訪れる初心者向けの山であれば、専用の道具じゃなくても問題ない!』と感じました。私の感想がこちらです。

①リュック
観光客が多い高尾山のような初心者向け・日帰り登山であれば、登山用ではないリュックでも問題はないと感じました。

②靴
今回の登山で一番問題大事さがわかったのが、「靴」です。足全体が痛い、というわけではないのですが、一番痛んだのがつま先。自宅に帰ってからも痛みが残ってしまいました。なぜつま先が痛んだのか、登山靴に変えたら痛くならないのかわかりませんが…。

③洋服
体温に合わせて調整できたため、重ね着をしたのは正解でした。しかし登っている間にかなり汗をかき、途中休憩している最中に風が吹くと、徐々に身体が冷えてしまいました。

④小物
小物に関しては特に不便を感じませんでした。帰りの道が暗くなってしまったのでライトは欲しいと思いましたが、周りに人がたくさんいたので安心でした。

しかし結果、この感想を聞いた”元山岳部の友人Yさん”にめちゃくちゃ怒られ、そして諭されました。
『…もしもの時の事、ちゃんと考えてた?』

私の感想、何がいけなかったのか…?

友人Yさんから言われた言葉にピンとこなかった私…。詳しく教えてもらいます!

友人唖然。
撮影:YAMAHACK編集部
友人Yさん(以下Yさん):え…この道具で行ったの??!

新人編集者(以下編):おかしい?でも、”足が痛かった”と”体が冷えてしまった”というのはあったけど、他は特に問題なかったよ!

Yさん:もちろん、観光地のような低い山を登る時に『全ての登山用品を揃えなさい!』とまでは言わないし、代用できるものはそれでいいと思うよ。でも、登山用品と普段着の違いを知っておくことや、どんな山でも危険が潜んでいるというリスクを知っておく事は大事だよ!

:危険か…うーん…。でも周りにたくさん人がいたし、安全だったけど?

友人におこられてます
撮影:YAMAHACK編集部
Yさんそれ!その考えがちょっと危ないんだよ!じゃあ、カテゴリーごとに教えていくね。

①リュック

観光客が多い高尾山のような初心者向け・日帰り登山であれば、登山用ではないリュックでも問題はないと感じました。

:リュックに関しては全く不便を感じなかったよ!

Yさん:リュックで行ったのはまず正解。トートバックやショルダーバックでも行ける!と思っている人もいると思うけど、重量が片方に偏って痛くなるから、長時間歩くときには必ずリュックで行こう

日帰り登山であれば、登山用のリュックは必要ないかもしれないね。ただ、街用リュックにはない機能が登山用ザックには付いていることも多いんだ。今回は、街用リュックを使う場合として、ついていたほうがいい機能だけ教えるね。

●水筒を入れる外ポケット
初心者用リュックで欲しい機能 サイドポケット

登山中は思っている以上にのどが渇くため、スグに取り出せる位置に入れておくと便利!外にポケットがないと、一回一回立ち止まりリュックを開けなければならないので、少し不便かもしれないね。

●チェストベルト(リュックの胸側のベルト)
初心者用ザックに欲しい機能 チェストベルト 荷物が重くなればなるほど、肩紐がズリ落ちてくるんだ。落ちてくる事で歩きづらくなり、体力を消耗してしまうよ。登山用のリュックにはこのチェストベルトと、腰辺りを固定する腰ベルトがついているんだけど、最低限チェストベルトはあった方がいいと思う。街用のリュックにはついていないものが多いんだけど、後付けできる商品も販売されているからとりあえずは代用できそうだね。
ITEM
チェストベルト(胸ベルト)
■カラー:12色

■全長:約47.5cm(ワッペンまでの最大長さ)
■通し幅:約5.5cm
■ベルト幅:約2cm

大人用にも子供用にも使用可!

②靴

今回の登山で一番問題大事さがわかったのが、「靴」です。足全体が痛い、というわけではないのですが、一番痛んだのがつま先。自宅に帰ってからも痛みが残ってしまいました。なぜつま先が痛んだのか、登山靴に変えたら痛くならないのかわかりませんが…。

リュックは正解だね!

撮影:YAMAHACK編集部
:今回足が痛かったんだよね…。やっぱり登山靴って履いたほうがいいの?なんかゴツくて歩きにくそうだから、スニーカーの方が歩きやすそうなんだけど…。

Yさん:靴はぜひ登山靴を履いてほしい!イメージしているよりも気軽に履ける靴だったり、色々な登山靴があるんだよ。でも登山靴は奥が深くて「なんで?」っていう疑問がたくさんあると思うので、やっぱりプロに聞くのが一番!今度実際にお店に行って聞いてみよう!

③洋服

体温に合わせて調整できたため、重ね着をしたのは正解でした。しかし登っている間にかなり汗をかき、途中休憩している最中に風が吹くと、徐々に身体が冷えてしまいました。

:今回暑いと寒い、両方あったんだよね。

Yさん:うん、そうだね。洋服での注意点は『(あくまでも一般的に)登山は大量の汗をかく』という事。重ね着をしたのは良かったけど、保温だけではなく速乾性も考慮しないと汗で体が冷えてしまうんだ。あと山は思っている以上に寒いので、しっかり防寒着を持っていくことも重要!

登山用の服は保温性・速乾性・透湿性に優れているものが多いんだよね。でもやはり、いきなり全身揃える、という言うのは確かにハードルは高いから、優先的に揃えるといい物を教えるね。
洋服の説明をしてくれる友人

撮影:YAMAHACK編集部
●速乾性のあるインナー
初心者用揃えたほうがいい登山用品 インナー Yさん:速乾性のあるインナーが一つあるだけで、登山中の快適さが全然ちがうよ。

:速乾性?

Yさん:例えば、綿のTシャツは一度濡れると乾きにくいけど、ポリエステル等の化学繊維は汗の乾きも早いのが特徴なんだ。家にある洋服で行きたい場合は、洋服のタグを一回確認するのがいいと思うよ。意外と使えるものがあるかも!

●防寒着
登山初心者用の装備 防寒着
出典:Amazon
:寒くなくても防寒着いるの?
 
Yさん:山は標高が高く風も強いので、麓よりずっと寒い想定で防寒着を用意しておこう!
100m上がれば気温が0.6度、風速1mで体感温度が1度下がるって言われているんだ。高尾山は599mなので、約3.6度。見晴らしのいい場所なら風も強いので、風速5mの風が吹けばなんと8度以上も低く感じるんだよ。
山と麓では温度差があるんだよね
撮影:YAMAHACK編集部
●レインウェア
初心者用の登山用品 レインウェア
:レインウェア?雨降ったら山登らないよ?

Yさん:初心者が意外に持ち歩かないのがレインウェア。確かに初心者は雨が降ったら登らないよね。でももし予想外の雨が降ったら?全身ズブ濡れになっちゃうよ。見晴らしのいい頂上などは風も強く、服が濡れると体が一気に冷えて危険なんだ!
レインコートは必須アイテムです
撮影:YAMAHACK編集部
:なるほど…じゃあとりあえず傘持っていくね!

Yさん:傘が絶対ダメ!というわけでもないんだけど、登山道は細いから危ないよ。登山道が十分広くて風がない時には使えるけど、風が強い時も危ないよね。それに特に初心者は片手がふさがった状態で登るのは危険だから、できればレインウェアがいいと思うよ。正直晴れていればレインウェアはなくても登山できてしまうので、初心者にとって優先順位が下がりがちなんだけど、濡れたら危険!というリスクは必ず覚えておいてほしいな。

④小物

小物に関しては特に不便を感じませんでした。帰りの道が暗くなってしまったのでライトは欲しいと思いましたが、周りに人がたくさんいたので安心でした。

Yさん:水筒とかの小物に関しては、いったん自分のでも大丈夫だと思うよ。気になったのは帰りの暗さについてかな。思っていたより暗かったのに安心って思っちゃったんだよね?

:うん。みんないたし全然大丈夫だったよ。

Yさん:そこが危険ポイント!人がいたとしても、足元はちゃんと見えてた?もし人がいなかったら?道に迷ったら?

:うーん…。ライトを持っていく!
危険を教えてくれる友人

撮影:YAMAHACK編集部
Yさん:それも一つあるね。でも手持ちのライトだと、傘と同じように片手がふさがってしまうので、ライトを持っていくならヘッドライトにしてね。他にも考える事はあるよ!例えば、今回往復で約5時間40分のコースを9:00から登り始めたのに、下山したのは17:00過ぎ。予定より時間かかったね。

山頂でご飯食べながらゆっくりしちゃったんだよね

Yさん:それ!初心者は必ず事前に余裕を持ったスケジュールを立てることが重要!夜の山道は基本真っ暗。さらに木が生い茂っている山では思っているより早く暗くなってしまうんだ。今回も予定よりずいぶん遅くなったのであれば『人がいたから安心だった!』ではなく、どうしたらよかったのか、何がいけなかったのか、何が危険だったのかリスクを把握しておくのはとっても大事だよ!

:なるほど…。たしかに周りに人いなかったら、帰り道のコース不安だったかも…。

Yさん:うん、そうだよね。なので初心者は必ず暗くなる前に下山できるよう、時間に余裕を持ったスケジュールを立てて楽しんでね!

次回!『登山靴ってスニーカーと何が違うの?』

登山靴は必要?
出典:PIXTA
今回友人に色々と教えてもらい、私の山への甘さがわかりました。『最初から登山用品が全て必要!』というわけではありませんが、リスクや危険を知ったうえで、最低限の道具は揃えて山を楽しむことが必要だと感じました。

ではまずは、友人も必要と言っていた『』について考えてみます。
前回つま先が痛くなりましたが、靴が悪いのか歩き方が悪いのか、痛くなった原因はやはりわかりません。そこで実際にプロの方に登山靴について話を聞いてみたいと思います!

次回、STEP1『登山靴ってやっぱり必要?登山靴とスニーカーは何が違うの?』

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Yさんに怒られました
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YAMA HACK編集部
YAMA HACK編集部

YAMA HACK運営&記事編集担当。登山をきっかけに自然の力に魅了される。山で飲むコーヒーが大好き。何かあれば必ず山に行き、心身共に整える。山について新しい視点を与えられるような記事作りを心がけて日々執筆活動を行う。

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